イカナゴ漁、今季も不漁予測 3年連続

イカナゴ漁、今季も不漁予測 3年連続
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 瀬戸内海に春の訪れを告げるイカナゴのシンコ(稚魚)漁解禁を前に、兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター(明石市)は、今年の漁況予報を発表した。海域別の予報で播磨灘は「平年を下回り、昨年を上回る」、大阪湾と紀伊水道は「平年を下回り、昨年並みか昨年をやや下回る」となり、いずれも3年連続の不漁予測となった。

 同センターは、昨年12月3~1月4日、イカナゴの産卵場として知られる播磨灘北東部の浅瀬「鹿ノ瀬海域」で親魚の採取調査を5回実施。その結果、1回当たりに獲れる数が平均4・9尾(昨年11・4尾)で過去最少になった。今年の産卵量の目安となる産卵量指数は昨年と同じ0・17で、平年の1・80を大きく下回った。

 また、孵化(ふか)した稚魚の分布量を1月下旬に各海域で調査したところ、播磨灘が1・9尾(同1・2尾)、大阪湾が2・0尾(同6・3尾)、紀伊水道が0尾(同0・4尾)だった。

 シンコ漁の漁獲量は平成28年まで1万トン程度で推移してきたが、29年以降は激減。昨年は不漁による資源保護のため、通常1カ月余りの漁期が約3週間に短縮され1621トンにとどまった。県立農林水産技術総合センター水産技術センターは「例年より解禁サイズを大きくして漁期を短縮するなど一層厳しい管理が求められる」と指摘している。

 シンコ漁の解禁は県内と大阪府の漁業関係者らが試験操業の結果などから時期を判断。今年は2月27日にも解禁日を決める。

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