この本を手にしてから、何度となく音読を繰り返しています。
読んでいつも思うのは、例文が読み手の「心」に強く訴えかけるということです。
著者である同時通訳者の横山 カズ先生は、本書の序章で
「英語で4技能をバランス良く身に付け、磨いていくための一番の近道は、『英語で思う力』をつけること」だと述べておられますが、それが非常に納得のいく本です。
例文の内容は、学校でのクラスメイトとの関係や勉強のこと(社会人の方なら、職場での人間関係や仕事に置き換えることができるでしょう)
誰もが日常、さまざまな状況で感じる心配事や喜び、焦りや後悔、将来への希望。誰かを好きになったときの切ない気持ちなど。
「心の動き」に焦点を当てた魅力的な例文と、それに対する横山先生のグッとくる日本語訳が、英語をより身近に思わせてくれます。
本のレイアウトも大変見やすく、見開き2ページで1つの例文を学習できるようになっています。
(トレーニング用の例文は49個あり、1つの例文の量は3行~10数行でです。後半の「万能例文」も実践的です)
左ページに英文、その下部に日本語訳。
右ページには、同英文の解説という形で、強く読む部分は赤い太文字で強調してあり、日本人にとって聞き取りにくく発音しにくい箇所には、「魔法のカタカナ」で助け船を出してくれています。
Tipsとして、例文から「使える表現」をまとめてくれてあるのも親切です。
尚、全ての例文に文法の解説がされています。
例文のほとんどが基本的な単語で構成され、構文もシンプルなので、時制や疑問文、否定文、無生物主語、仮定法などが堅苦しい思いをすることなく、理解できます。
横山先生が編み出された、英語で思う力と流暢に話す力を養うトレーニング方法「パワー音読」で、1日1つの例文を15分で学習していくことを推奨されています。勿論、パワー音読のやり方は、本書で詳しく説明されています。
実際、やってみるとわかりますが、パワー音読を続けていると、英語が体に刷り込まれていくことを実感できます。
繰り返しの表現になりますが、本書の例文が強く心に響くので、1日1つという区切りは忘れて、いつの間にか夢中になり、音源に合わせて次々例文を音読している。
この本にはそんな磁力があります。
本をめくって、その時の自分の気持ちにぴったり来る例文を音読する、という使い方も良いかもしれません。
基礎的な単語、文法を身につけた初級者の方が読めば、これからの英語の旅がますます楽しくなると思いますし、中級以上の方なら、英語の楽しさを再発見するのではないでしょうか。
そんな魅力ある一冊です!
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"スピーキング"のための音読総演習 (即戦Navi) 単行本(ソフトカバー) – 2017/4/18
横山 カズ
(著)
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英語を「使える」力が手に入る、新シリーズ「即戦Navi」第1弾! (1)英語で「聞く」「話す」「読む」「書く」、この4技能をバランスよく身につけるには、英語で「思う」力をつけることです (2)英語で「思う」力を身につけるには…言葉に文脈と感情を加える。これが音読学習法パワー音読(POD) (3)パワー音読(POD)6つのステップ Step1 チャンク音読 Step2 ノーマル音読 Step3 ささやき音読 Step4 和訳音読 Step5 感情音読 Step6 タイムアタック音読 (4)一日一つ、15分繰り返し音読すれば、英語を自在に操るパワーが身につけられます
- 本の長さ136ページ
- 言語日本語
- 出版社桐原書店
- 発売日2017/4/18
- ISBN-10434200125X
- ISBN-13978-4342001253
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商品の説明
著者について
同時通訳者。翻訳家。1977年生まれ。関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。英語を日本国内で独学し、航空・IT・医療・環境・機械・国際関係・文学など多分野で同時通訳者として活躍中。リクルート・スタディサプリENGLISH、東進ハイスクール、学びエイド講師。JAL(日本航空)グループ、楽天等の大手企業では英語力向上と社内公用語化に貢献する。また、20代半ばまでは外国人向けクラブのバウンサー(用心棒・トラブル処理係)を経験する。
著書に『英語に好かれるとっておきの方法ー4技能を身につける』(岩波ジュニア新書)、『パワー音読入門』(アルク)【本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです】
著書に『英語に好かれるとっておきの方法ー4技能を身につける』(岩波ジュニア新書)、『パワー音読入門』(アルク)【本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです】
登録情報
- 出版社 : 桐原書店 (2017/4/18)
- 発売日 : 2017/4/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 136ページ
- ISBN-10 : 434200125X
- ISBN-13 : 978-4342001253
- Amazon 売れ筋ランキング: - 318,298位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 982位高校英語教科書・参考書
- カスタマーレビュー:
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2020年3月29日に日本でレビュー済み
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2017年12月16日に日本でレビュー済み
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音読を繰り返していると、ぎこちない発音がスムーズになって来ました。
2018年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は50代前半の男性ですが、仕事の関係で昨年から英会話の勉強と中学英語のやり直し勉強をしています。
Amazonでいろいろ検索していたら、音読が会話力の向上に役立つらしいことを知ったので、この本を買ってみ
ました。
初めは、練習の仕方のコツが解らず、???と思ったこともありますが、勉強の仕方に慣れてみると、内容が面
白いし、簡単な英語で音読用の例文が書かれているために、楽しみならが集中して勉強できて、助かってます。
英会話教材、基礎英文法、英単語帳(DUOセレクト)と並行して勉強してきましたが、その日の勉強の締めには
本書によるパワー音読が欠かせないものになりました。
本当に楽しいし、内容は機微に富んでるし、易しい英語だけど使える英文例、CDまで付属していて本当にお買
い得、本書の内容を実戦すれば、英会話教材で勉強するだけより確実に会話力がアップしている実感があり
ます。
是非、英会話教材で勉強と並行して、本書の内容を実戦してみてください。必ず、役に立つと思います。
Amazonでいろいろ検索していたら、音読が会話力の向上に役立つらしいことを知ったので、この本を買ってみ
ました。
初めは、練習の仕方のコツが解らず、???と思ったこともありますが、勉強の仕方に慣れてみると、内容が面
白いし、簡単な英語で音読用の例文が書かれているために、楽しみならが集中して勉強できて、助かってます。
英会話教材、基礎英文法、英単語帳(DUOセレクト)と並行して勉強してきましたが、その日の勉強の締めには
本書によるパワー音読が欠かせないものになりました。
本当に楽しいし、内容は機微に富んでるし、易しい英語だけど使える英文例、CDまで付属していて本当にお買
い得、本書の内容を実戦すれば、英会話教材で勉強するだけより確実に会話力がアップしている実感があり
ます。
是非、英会話教材で勉強と並行して、本書の内容を実戦してみてください。必ず、役に立つと思います。
2017年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトル通りですが、感情を込めて音読することの重要さを身にしみて感じています。
その点に関して言いますと、この本の良いところは、1回に対しての英文の量が少ないという点です。
その英文に対して、じっくりと理解し、感情を肉付けするという作業をすることによって、
その英文が自分のものになったような気になります。 (実践する場がないので実際は分からないですが)
また、 CDも感情の込められた音源があり、音読する時にとても参考になります。
ただ日本語訳が感情の込めにくい言い回しをしているため、
「日本語訳を感情を込めて音読する」というステップが少しやりにくいです。
その部分の改善に期待です。
その点に関して言いますと、この本の良いところは、1回に対しての英文の量が少ないという点です。
その英文に対して、じっくりと理解し、感情を肉付けするという作業をすることによって、
その英文が自分のものになったような気になります。 (実践する場がないので実際は分からないですが)
また、 CDも感情の込められた音源があり、音読する時にとても参考になります。
ただ日本語訳が感情の込めにくい言い回しをしているため、
「日本語訳を感情を込めて音読する」というステップが少しやりにくいです。
その部分の改善に期待です。
2017年12月19日に日本でレビュー済み
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私は主に社会人・企業向けの英語研修を行っている者です。この本は「最強の英語独習メソッド パワー音読入門」が大好評ロングセラーとなり音読練習のスピーキングへの有効性を改めて世の中に伝えた横山カズ氏の続編的な教材。ボリューム控えめの薄めでシンプルな構成に、独自の音読のノウハウを詰め込んだもので、レビュー欄でも、一部根拠の無い批判を書いている人を除くと、概ね評価の高いようなので、私も英語教材のベンチマーキングのために、実際に2週間ほど、毎日どこに行くにも持って歩き、実際に自分でも音読練習を試してみました。
英文音読の本はTOEIC対策、聴く力・読む力など様々な他にも目的で出ていますが、この本については、タイトルにある通りズバリ英語のスピーキングに特化しているのが最大の特徴。ただ単に会話ダイアローグやモノローグが載せてあって「それを音読するといいですよ」程度の説明の本とは似て異なるものです。
横山さんの専売特許の「パワー音読」というメソッドに説得力と迫力があるのは、彼が日本国外へ一歩も出ること無く英語をマスターし一流の同時通訳者として活躍するまでになり、通訳者になってからも音読訓練を通じて精進を続け、英語を自由自在に話す力を身につけた経験と通訳で修羅場をくぐり抜けてきた実績と自信からでしょう。
ちょうど筋力トレーニングでダンベルの持ち方や角度一つで鍛えられる体の部位や効き方に違いがでるように、音読にもこれだけのバリエーションがあり、それぞれ狙う効果にも違いがある、ということに新鮮味を感じます。またこの本の中では音読トレーニング時間は「一日15分」とうたっています。15分ならなんとか取ることが出来そうですよね。何かを習得したいと思いながらそれすら出来ない人は英語に限らず何も成し遂げることはできないでしょう。
また今回注目したのは「魔法のカタカナ」。多くの学習者は、いくらネイティブスピーカーの朗読音声を聴いても聴き取れなかったり、正しい読み方をどう口頭で再現して良いか分からないことが少なくないはず。発音記号での表示では複雑で難しくなるので、こういった「カタカナ+(母音を入れないための)アルファベット」を振り仮名的に使うのは、非常に親切だと思いました。
音読素材である例文にはネイティブスピーカー的な自然な表現満載で、学生や会話初心者に最適なのはもちろんですが、英会話上級、自称英語堪能者、あるいは「自分は英語で一応海外業務こなしてます」なんていう人にも、お薦めです。
英文音読の本はTOEIC対策、聴く力・読む力など様々な他にも目的で出ていますが、この本については、タイトルにある通りズバリ英語のスピーキングに特化しているのが最大の特徴。ただ単に会話ダイアローグやモノローグが載せてあって「それを音読するといいですよ」程度の説明の本とは似て異なるものです。
横山さんの専売特許の「パワー音読」というメソッドに説得力と迫力があるのは、彼が日本国外へ一歩も出ること無く英語をマスターし一流の同時通訳者として活躍するまでになり、通訳者になってからも音読訓練を通じて精進を続け、英語を自由自在に話す力を身につけた経験と通訳で修羅場をくぐり抜けてきた実績と自信からでしょう。
ちょうど筋力トレーニングでダンベルの持ち方や角度一つで鍛えられる体の部位や効き方に違いがでるように、音読にもこれだけのバリエーションがあり、それぞれ狙う効果にも違いがある、ということに新鮮味を感じます。またこの本の中では音読トレーニング時間は「一日15分」とうたっています。15分ならなんとか取ることが出来そうですよね。何かを習得したいと思いながらそれすら出来ない人は英語に限らず何も成し遂げることはできないでしょう。
また今回注目したのは「魔法のカタカナ」。多くの学習者は、いくらネイティブスピーカーの朗読音声を聴いても聴き取れなかったり、正しい読み方をどう口頭で再現して良いか分からないことが少なくないはず。発音記号での表示では複雑で難しくなるので、こういった「カタカナ+(母音を入れないための)アルファベット」を振り仮名的に使うのは、非常に親切だと思いました。
音読素材である例文にはネイティブスピーカー的な自然な表現満載で、学生や会話初心者に最適なのはもちろんですが、英会話上級、自称英語堪能者、あるいは「自分は英語で一応海外業務こなしてます」なんていう人にも、お薦めです。
2017年12月2日に日本でレビュー済み
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読み書きは理解出来ても話し・聴きとる事に自信がない、社会に出て英会話が必要となって初めて自らスピーキングを学び始める、これは英語を学んできたと自負する日本人に最も多い例だろう。私もその1人だ。 なるほど、と共感したのは感情そのものを英語的なものに切り替えようという発想。 私がこれまで手に取った教材は やはり私が日本語で感じたり使っている例文が多かった。取り組みやすいと思ったからだ。 しかしこの本は違う。普段確かに思いついているような親しみやすい内容の例文が、日本語の発想を飛び越えた英語らしさを伴って解説されている。 こういう文章を日本語でも思い浮かべる脳の回路が切り開けば、もはや学習ではなく自分の言葉としてすんなりと英語を身につけることが出来るという論理なのだ。 そしてそれらの例文一つ一つには不定詞 動名詞 仮定法など学生時代頭を悩ませてきた文法が自然に取り入れられるよう実に緻密に散りばめられている。 中には女性の心を巧みに表現していて驚かされたりクスッとさせるような例文もありどの文章も惹きつけられる。今は高校生の娘と楽しく使用している。
2017年11月25日に日本でレビュー済み
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同著者の「最強の英語独習メソッド パワー音読入門」のレビューの幾つかにもあるように、私は英語の専門家の一人として、この著者のこの本にも「駄目」の烙印を押さざるを得ない。 とにかく本書を手にとってご覧いただきたい。私の言わんとしていることが一目してお分かりになるだろう。
内容について触れるのも憚られるが、一応レビューの常として:
第1章は「英語らしさを体にインストール!」 というタイトルに続き、「英語らしい発想が身につく6つの表現法を、毎回の音読練習のウォームアップとして練習しよう」 という指示があり、 1) 無生物主語の文、2) I like the way you + 動詞の文、3) as ~ as 構文、4) see + 人 + ~ing というお馴染みの知覚感覚動詞構文、5) I wonder if の構文、6) , which の関係代名詞継続的用法の文、がそれぞれ左1ページずつに割り振られている。 1) から 5) には短文例が4つずつ、6) には、こんな「, which」 の使い方など恐らく誰もしないだろうと思われるようなひどい雑文が1つついている。それぞれの例文群 (左ページ) の反対側 (右ページ) は、「文法」 となっているが、「文法」の説明など全く無く、発音の仕方’ (強勢・リダクション) と語句の説明に終わっている。 この章で採用されている文や構文が、果たして「英語が身につく 6つの表現法」 なのかどうかはさておき、「発音練習のウォームアップ」 ならばもっと他に良い方法があるだろう と言いたい。
第2章は本書の「味噌」の部分だが、「音読練習」 と題して 「時制」「助動詞」「受動態」「不定詞」などなどの文法項目に沿い、それぞれ複数のページに亘って、短文のごった煮のようなものが、適切な接続詞も使われないままに、寄せ集められている。 まとまったパラグラフなど 1つも無い。
第3章の「万能例文」に至っては、「謙虚に話す」「自分の人生観について力説」「苦労と達成感を語る」などなどと続いているが、そのほとんどが内実が無く空疎で出来の悪い文のオンパレードだ。・
「只管音読」を提唱なさった故國弘正雄先生は 「内容のしっかりとした文章 (短文ではない) を、文法の係り結びや語彙の意味など全てを理解できた上で、ただただ打ち座り復唱する」 ことを提唱なさっていたが、自らその弟子であると言っておられる安河内氏が、この様な本に 『刊行によせて』 を書いておられるのも腑に落ちない。
著者の「同時通訳者」としての守備範囲が異常に広いのも気になる。私も英語教師として数々の教科書や辞書・事典を世に問い、また様々の折に逐次・同時の通訳や翻訳の作業に関わってきたが、その様な力のある (はずの) 著者がこの様な本を書くとは…。 レビューするに値しない程の酷い本が、天下の桐原書店から出版されたというのも、残念至極。
内容について触れるのも憚られるが、一応レビューの常として:
第1章は「英語らしさを体にインストール!」 というタイトルに続き、「英語らしい発想が身につく6つの表現法を、毎回の音読練習のウォームアップとして練習しよう」 という指示があり、 1) 無生物主語の文、2) I like the way you + 動詞の文、3) as ~ as 構文、4) see + 人 + ~ing というお馴染みの知覚感覚動詞構文、5) I wonder if の構文、6) , which の関係代名詞継続的用法の文、がそれぞれ左1ページずつに割り振られている。 1) から 5) には短文例が4つずつ、6) には、こんな「, which」 の使い方など恐らく誰もしないだろうと思われるようなひどい雑文が1つついている。それぞれの例文群 (左ページ) の反対側 (右ページ) は、「文法」 となっているが、「文法」の説明など全く無く、発音の仕方’ (強勢・リダクション) と語句の説明に終わっている。 この章で採用されている文や構文が、果たして「英語が身につく 6つの表現法」 なのかどうかはさておき、「発音練習のウォームアップ」 ならばもっと他に良い方法があるだろう と言いたい。
第2章は本書の「味噌」の部分だが、「音読練習」 と題して 「時制」「助動詞」「受動態」「不定詞」などなどの文法項目に沿い、それぞれ複数のページに亘って、短文のごった煮のようなものが、適切な接続詞も使われないままに、寄せ集められている。 まとまったパラグラフなど 1つも無い。
第3章の「万能例文」に至っては、「謙虚に話す」「自分の人生観について力説」「苦労と達成感を語る」などなどと続いているが、そのほとんどが内実が無く空疎で出来の悪い文のオンパレードだ。・
「只管音読」を提唱なさった故國弘正雄先生は 「内容のしっかりとした文章 (短文ではない) を、文法の係り結びや語彙の意味など全てを理解できた上で、ただただ打ち座り復唱する」 ことを提唱なさっていたが、自らその弟子であると言っておられる安河内氏が、この様な本に 『刊行によせて』 を書いておられるのも腑に落ちない。
著者の「同時通訳者」としての守備範囲が異常に広いのも気になる。私も英語教師として数々の教科書や辞書・事典を世に問い、また様々の折に逐次・同時の通訳や翻訳の作業に関わってきたが、その様な力のある (はずの) 著者がこの様な本を書くとは…。 レビューするに値しない程の酷い本が、天下の桐原書店から出版されたというのも、残念至極。
2017年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英会話学習入門者に紹介しています。リスニングから理解力に繋げるのに効果的だと思います。」